しあわせマックス!ブランディングユニット「wrife」の活動を発信していきます。

SDGs 05 考察「い・ろ・は・す」

2020年7月、キリンビバレッジは、ミネラルウォーター「ボルヴィック」の販売を12月末で終了すると発表しました。

輸入先の仏ソシエテ・デ・ゾー・ド・ボルヴィックとの製造委託契約が満了したためだそうですが、これは私自身、とてもショックなニュースでした。

20代の頃は「ボルヴィック」か「エビアン」を飲むのがオシャレだと勝手に思っていた時期がありり、10数年前までは、ペットボトルウォーターのシェアは約6割が輸入ブランドで占められていたそうです。

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それが、どうして…。

理由のひとつとして【い・ろ・は・す】の躍進があるのではないかと考えます。

2009年、環境に優しいコンセプトで誕生した【い・ろ・は・す】。

2015年からは、水そのもののおいしさに主軸をおいた新しいコミュニケーションを展開。

水を愛するブランド【い・ろ・は・す】」は、おいしさも環境も大切にし、厳選された日本の水源からの恵みをいつでも味わえることをメッセージしていきました。

さらに2020年4月は、ラベルを付けない「いろはす天然水ラベルレス」が好調。小型容器のEC経由出荷量は昨年比8割増。それに大きく貢献したのは、廃棄時のフィルムを剥がす手間がなく、ごみを増やさない「ラベルレス」だそうです。

現在では、100%リサイクルペットボトルとなり、さらにその価値を高めています。その背景としては、コカ・コーラシステムでは、「World Without Waste (廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指すグローバルプランに基づき、容器由来の廃棄物の問題解決に向けた「容器の2030年ビジョン」を策定。

2019年7月には、2030年までに「ボトル to ボトル」(使用済み PETボトルを回収・リサイクル処理した上で、PETボトルとして再生し、飲料の容器として用いる)の割合を90%にまで高め、全ての自社製品のPETボトルの原料を100%サスティナブル素材に切り替えることなどを柱とした新たな環境目標を公表し、 日本国内におけるプラスチック資源の循環利用の促進に取り組んでいます。

※北海道コカ・コーラボトリングのウェブサイトから転載

こういった声をニュースで読みました。

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コロナの感染が広がると、助け合いの精神から馴染みの店で購入しようとする取り組みがすぐに広がった。コロナが人々の消費行動に一定の影響を与えたのは間違いない、と。

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キリンビバレッジのミネラルウォーター販売数量のうち、ボルヴィックは1割程度だったため、販売終了は仕方ないことかもしれませんが、そうさせたのは、個人的には【い・ろ・は・す】の影響もあるのではないかと考えています。

では、このままエシカル消費が日本の消費の一大潮流になるかというと、話は別のような気がしています。

エシカル消費を推し進めているのは、若者中心。エシカル消費が一大潮流になるために欠かせない団塊の世代やバブル世代にとっては、そこまで心に響いている様子はありません。

しかし、それでも各企業がこういったエシカル商品にを入れる理由として、下記のような意図があるとも考えられています。

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これからメガヒットを狙うのは難しい。

だからこそ、今まで見落としていた消費者の“声なき声”を丁寧に拾い、

小さなヒットを積み重ねることが重要。

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コロナ禍においてまだまだ出口が見えない状況ですが、今だからこそ「ブレない」ことの重要性と、きっとまだ「できること」がある。

そう考えさせられました。