しあわせマックス!ブランディングユニット「wrife」の活動を発信していきます。

SDGs 04 考察「オールバーズ」

2019年末に日本に上陸したシューズブランド「オールバーズ」。

世界では15店舗目、日本初となるお店を、原宿駅にオープンさせました。

この「オールバーズ」は、単に「SDGs」に乗っかったようなブランドではなく、独自のシューズ作りに取り組み、米タイム誌には「世界で最も心地よいシューズ」と評され、環境問題に関心の高い多くのアメリカのセレブたちに愛用されているそうです。

まず、大きな特長としては、【カーボンフットプリント】という製品を作るために排出されるkg CO2e、温室効果ガスの排出量をCO2の排出量に換算したものを商品に表示した点だと思います。

そして、下記のような項目における【カーボンフットプリント】を分かりやすく表示しています。

●素材:ウールやサトウキビなどの天然素材をはじめ、素材づくりにかかる排出量

●製造:モノづくりに必要な排出量

●洗濯:製品を丸洗いしたときの排出量

●廃棄:埋め立て地に送られ、腐敗するまでの排出量

●輸送:工場からお客さまに届けるために必要な排出量

(公式サイトより抜粋)

一般的なスニーカーのカーボンフットプリントは【12.5 kg CO2e】、それに対して「オールバーズ」は【平均7.6kg CO2e】を排出しています。

こういった取り組みは「たった1足をつくるのにガソリンで30kmも走るほどのkg CO2eを排出しているんだ」といった気づきになり、目には見えないkg CO2eを見える化できていると思います。

今回、この「オールバーズ」をピックアップした理由として、「サスティナブルな素材を使っています」といった訴求ではなく、ちゃんと数字を出して「現在地」を示し、その上で「ゼロを目指す」といったブランドとしての姿勢が明確だと感じたからです。ひいては、それがファンを増やす理由になっているのではないかと思います。

「オールバーズ」は、ウールをはじめ、ユーカリの木の繊維から作られたシューズもあります。また、靴ひもは再生プラスチック、靴底はブラジル産のサトウキビを加工しています。購入時の箱も、再生ボード紙です。

とはいえ、このブランドが重視している点は3つ「心地よさ」「デザイン」「サステナビリティ」だそうです。

忘れていけないことは、シューズ選びの第一は「心地よさ」。しかし、機能性を追求すればするほど、デザインがシンプルではない、さらにエコではないケースが多かったところに目をつけ、「オールバーズ」はシューズ作りを何度も繰り返したそうです。

そして、ウールなどという通気性のいい素材を使い、はだしで履いても臭くなりにくく、洗濯もでき、夏は涼しく、冬は暖かい心地よさにこだわりつつも、ムダを削ぎ落としたシンプルなデザインにすることで、他にはない唯一無二のブランドになっているのだと考えます。

コロナ禍において、エシカル消費が注目されていますが、「サスティナブル」といった価値は、商品購入のきっかけにする「売り文句」のようなものではありません。あくまでも【ブランドの姿勢】を示す裏付けとして取り組みです。

これからますます、ブランドとしての【ブレない姿勢】が重視されるのではないか、このブランドのことを調べながら感じました。